施設長挨拶

 2018年度4月より、筑波大学理療科教員養成施設長を拝命しました緒方昭広と申します。本施設は1903年に創設され110年以上の長期にわたり特別支援学校(盲学校)、更生援護施設(視覚障害センター)、専門学校の教員を輩出するとともに、あん摩マッサージ指圧、はり(鍼)、きゅう(灸)(以下「あはき」、「理療」)におけるエビデンス構築のために研究を推進してきております。その功績は教育界、あはきの学界に多くの貢献となって重要な役割と歴史を作ってきております。これまでその功績と歴史を作ってこられた歴代の施設長をはじめ、専任の教職員、関係各位のご尽力に敬服の念を抱かずにはおられません。

 教育においては、2018年度より認定規則が改定され「あはき」3科の単位数が100単位となりました。また臨床実習などの単位数も増え特に専門学校においてはその対応に追われているのが現状です。鍼灸業界も含めて力を合わせ総力で、国民に信頼され確かな技術力を持った理療師(あはき師)を育成していくことを指導者が改めて認識し日々の指導に当たることが求められていると考えます。日本以外のアジア地域の国々には日本のように視覚障がい者が理療で自立している人々は一握りです。さらに鍼灸施術が資格をもって働く視覚障がい者はおりません。本施設はあはきの職業教育を担う専門家を養成するところでもあることから、求められている日本のあはきの施術をアジア地域の視覚障がい者に指導教授するグローバルな活躍を担う人材の出現を願っております。

 2年後の2020年には東京オリンピック・パラリンピックが開催されます。開催に向けてこれから一層の盛り上がりが期待されるところです。本施設ではこれまで前施設長の宮本俊和教授が牽引の中心となり、専任教職員をはじめ多くの関係者が献身的に活動を推進して来ました。活動の継続に当たり様々な壁がありますが、可能な限りその流れを継続し、視覚障がい者がボランティアとして活躍できる可能性を追求するとともに、研究に結び付けられることを視野に入れ、関係者のご協力のもとに障がい者のアスリート支援ができるよう努力したいと考えております。関係各位のお力添えをお願いいたします。

 18歳人口が減少しはじめ、特別支援学校ならびに専門学校の入学者の減少が進行しております。それに伴い、本施設の入学者もその影響を受けております。これからの理療科教員養成の在り方を喫緊の課題として取り上げ、本施設の教職員をはじめ関係施設、関係各位のご指導ご鞭撻をいただき、現実的な対応策を考えていく必要があると考えております。
数の減少をプラスにとらえ、よりきめ細かな指導により、人材の質を上げていくことが出来るのではないかと考えます。

平成30年5月
理療科教員養成施設長
緒方 昭広