施設長挨拶

現在、我が国は65歳以上の総人口に占める割合が25%を超え、超高齢社会に入っています。 人口の高齢化が進む中で、高齢者が皆、介護される側になるとは限りません。山登りやゴルフを楽しむ活動的な高齢者も同じように増加してきます。
これまでの医療は、病気を治すことに主眼がおかれていましたが、現代社会では、1)疾病の予防、2)疾病の進行抑制、3)健康の維持増進に重点がおかれるようになってきました。東洋医学は、「未病を治す」といわれているように、病気の治療だけではなく、予防や進行抑制を得意としてきました。本施設の理療臨床部(鍼灸の施術所)に来院する方の年齢をみると、60代、70代が多く、主に肩こり、腰痛、膝痛を訴えています。

また、2020年には、東京でオリンピック・パラリンピックが開催されることになり、今まで以上にスポーツに関心が寄せられています。本施設からは、多くのパラリンピック選手を輩出しメダルを獲得してきました。筑波大学では、30年以上前から、医学、体育、本施設の教員が連携してスポーツ選手の鍼治療を行っています。現在も、オリンピック選手・パラリンピック選手のサポートをしています。本施設では、これらの社会に対応できる鍼灸マッサージ師を育成する教員の養成や研究者養成を行っています。

本施設は、明治36年(1903)に設立され、現在まで一貫して、盲学校の理療(鍼灸マッサージ)科教員の養成を行ってきました。卒業生は、1)盲学校理療科教員、2)鍼灸関連の専修学校教員、3)大学教員をはじめとした教育関係者や鍼灸の研究者、臨床家として活躍しています。
本施設では、理療科教員を志望する方はもとより、鍼灸の臨床技術の修得を目指す方、鍼灸マッサージの研究をしたい方、パラリンピックの支援スタッフになりたい方など、一緒に研究、臨床、教育について勉強したい方の入学をお待ちしております。
また、併設する理療臨床部では、肩こり、腰痛、膝痛、五十肩、スポーツ外傷・障害などで鍼治療を希望する一般の方の治療をしていますのでぜひともご利用ください。

本施設は、110年以上にわたる教員養成の経験と共に、新しい時代に応じた変革と未来への想像力を発揮して鍼灸マッサージを教える優れた教員を育成すると共に教育・臨床・研究を推進し、社会貢献をして行きます。

平成28年8月
理療科教員養成施設長
宮本 俊和