特 集

長野冬季オリンピック・パラリンピック
鍼灸マッサージボランティア活動

記者:宮本俊和

1、長野スポーツ鍼灸研究会
 長野スポーツ鍼灸研究会(代表:加藤秀一(長野県立盲学校))は、長野盲学校、筑波大学理療科教員養成施設、長野市鍼灸マッサージ師会(山田安男会長)のメンバーから構成された長野冬季オリンピック、パラリンピックのボランティアチームです。

@オリンピックでの活動
マッサージ治療の状況
 クロスカントリースキー競技役員を対象に、鍼・マッサージを行いました。
NAOCのボランティア課に登録された唯一の鍼灸マッサージのボランティアチームです。
 2月8日、11日、15日の3日間、白馬村の競技役員宿舎で63名に治療を行いました。競技役員は、ワールドカップなどの日本で行われる国際大会のコース設定、試走、タイム係を行う人たちで、腰痛、下肢の筋肉痛、足関節捻挫による痛みを訴えていました。

 写真の説明:
  クロスカントリー競技役員に対する鍼・マッサージ治療です。治療者は寺田 正和(本施設 研修生)


Aパラリンピックでの活動
記念写真
 南長野運動公園の体育館で、3月5日〜14日まで、鍼・マッサージのボランティアを行いました。
 南長野運動公園体育館は、オリンピックの開閉会式が行われた敷地内にあり、NAPOCの提供により借りることができました。
日本、アメリカ、ブルガリヤの選手をはじめ、ノルウェーのチームドクター、イギリスチームのトレーナーなどが治療に受けに来ました。
会期中に発行されたパラリンピックの公式新聞に活動が掲載されました。

 写真の説明:
  右:本人(宮本俊和)
  中央:アメリカのクロスカントリー選手
  左:長尾先生(自衛隊体育学校理療班)


2、長野ホスピタリティ・チーム・イン・長野県針灸師会
記念写真
 長野県針灸師会の主催により、長野・白馬・軽井沢会場での3会場で、オリンピック選手、大会関係者、ボランティアを対象に鍼灸治療を行い、筑波大学のメンバーも参加しました。
 長野会場(小山 進先生)では、金メダリスト4名、銅メダリスト2名など選手40名の他に大会関係者、ボランティアを含む197名が利用しました。

 写真の説明:
  長野会場にある治療所です。
 左:柴田 稔(都内に接骨院開業)
 右:本人(宮本俊和)


質問コーナ


 独断と偏見で勝手に宮本俊和先生に幾つか質問に対して解答を得られましたので、掲載します。

Q.治療所の看板には「スポーツ鍼灸」と書かれていましたが、利用された選手の中で、スポーツ外傷・障害以外の症状を訴える人がいましたか。
A.胃の調子が悪くて腹痛を訴える人や頭痛を訴える人がいました。また、活力を与えて欲しいという外国の選手もいました。

Q.陸上競技選手には特有な障害が存在しますが、ウィンタ−スポーツでもありますか?。
A.あります。スキー外傷の40%は、足関節や膝関節の捻挫です。膝関節捻挫は、High back shoes の使用によって足関節の2倍になっています。膝靱帯損傷は、内側側副靭帯、前十字靭帯などに多く、これらの発症初期にはRICE(安静、冷却、圧迫、挙上)治療を優先します。鍼治療は、関節の不安定性が少ない場合に用います。
 スキーによる慢性障害では、シーズン後半の疲労性の腰痛や大腿の筋肉痛、下腿痛などが鍼治療の適応になります。
 スケートでは、転倒による打撲・捻挫・骨折、スケート靴による切創などです。慢性的な障害では、腰痛(腰痛症・腰椎椎間板ヘルニア)、疲労性の大腿痛、腸脛靱帯炎などが鍼治療の適応です。
 アイスホッケーでは、選手同士がぶつかり合う接触プレーなので、肩関節亜脱臼・膝靱帯損傷、スティックによる顔面切創などの外傷を起こします。慢性的な障害では、腰痛、膝痛、下腿痛が多く、鍼治療の適応になります。

Q.道具箱は携帯用のものを使っていたのですか。また、先生のオリジナルの秘密の道具がありますか。
A.特に変わったものはありません。鍼灸師なので、外傷の処置に使うものや鍼・もぐさなどの他、煙や臭いのでないお灸円皮鍼(セイリン・ジュニア)、ヒビスクラブ(擦り込み式の手指消毒)、アイスマッサージで使うクリッカーなどです。
 バッグは、物を分けて入れられるカメラケースを使っています。

Q.先生の経験から、スポーツ選手が鍼灸師に求めているものは何だと思いますか。
A.一番は治療効果です。しかし、直後効果がすぐ出ない障害や復帰まで時間のかかる障害はたくさんあります。
 スポーツ外傷・障害の治療目的は、適切な診断・治療を行ってできるだけ早く選手を現場に復帰させることです。そのためには、初診時に障害の原因、鍼灸治療の効果、復帰までの見通しを説明することが最も重要です。
 また、試合前や試合後に治療を受けたいと考えている選手もいますので、治療を受けたいときに治療できるような連絡体制を作っておく必要があります。

スポーツ等で分からないことなどございました。メールでの質問をお待ちしております。

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